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安保技術の研究 山口大に抗議文 研究者らの団体

 全国の研究者や市民でつくり、岡山大の野田隆三郎名誉教授が共同代表を務める「軍学共同反対連絡会」は10日、山口大が防衛装備庁の軍事技術に応用可能な公募研究に採択されたことに対し岡正朗学長宛ての抗議文を郵送した。

 公募研究は「安全保障技術研究推進制度」。2019年度に全国の8大学から応募があり、山口大と大阪市立大の2件が採択された。細胞内の動きを解析しロボットで再現する研究が選ばれた山口大理学部の岩楯好昭准教授(生物物理学)は「いろいろな助成金を探す中でたまたま応募した。安保研究に強い思いはない」と説明している。

 抗議文は野田名誉教授や同じく共同代表を務める立教大の香山リカ教授たちの連名で郵送。野田名誉教授は「国の研究費助成が減る中、防衛関連は増えている。研究者は民生利用を想定していても軍事技術に応用される危険性を認識するべきだ」と指摘している。

(2019年10月11日朝刊掲載)

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