×

ニュース

復興と被爆者テーマ 広島市 平和宣言公募で検討

 広島市は12日、8月6日の平和記念式典で市長が読み上げる平和宣言の内容を検討する「被爆体験に関する懇談会」の初会合を市役所で開いた。ことしは「心身の傷や差別、偏見に苦しみながら、広島の復興を支えてきた被爆者の姿」をテーマに被爆者の体験談を公募し、宣言に盛り込むと決めた。5月15日に募集を始める。

 被爆者の体験談公募は3年目となる。座長の松井一実市長、日本被団協の坪井直代表委員たち全委員9人が出席した。松井市長はあいさつで、平和宣言を「核兵器廃絶の思いを踏まえて(世界の)為政者に対応してもらえるよう発信したい」と位置付けた。

 会合は非公開。市によると、松井市長が広島復興とそれを支えた被爆者の姿などをテーマにするよう提案。過去2年の平和宣言は被爆の惨状を軸に据えており、ことしは復興にも視点を広げる。募集期間は昨年より5日延ばし、締め切りを6月10日とする予定だ。

 委員からは憲法改正に対する考えや、いじめ問題を盛り込むよう提案があった。第2回会合は7月上旬に開く。松井市長は終了後、過去2年の平和宣言で踏み込まなかった核の平和利用の是非について「言い方を吟味したい」と話した。(岡田浩平)

(2013年4月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ