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原爆死没者悼む 松江で慰霊式典

 島根県内の原爆死没者の慰霊式典が15日、松江市学園南の北公園内にある原爆慰霊碑前であった。被爆者や遺族、地元の小学生たち約160人が参列した。

 県被爆者協議会の原美男会長(92)が、昨秋以降に遺族から記載の申し入れがあった9人の死没者名簿をきり箱に納めた。式辞では、会員数の減少や各地区の協議会の解散が進む現状に触れ、「組織運営が困難になる重大な段階。被爆者と二世の会、行政の連携を深め、よりよい継承と、悲願である核兵器のない世界平和の実現に向け粘り強く取り組みたい」と述べた。

 本間恵美子さん(69)=同市苧町=は、原爆投下2日後、疎開先から自宅のあった広島市土手町(現南区)を訪ねて入市被爆した母淳さん=90歳で死去=について「あの日のことを話すのは避けていた」と述懐。被爆者の証言について「相当な勇気が必要だと思う。私も後世に伝える一助を担いたい」と話した。

 3月末現在、県内の被爆者は832人(前年同期は918人)で、平均年齢は87・78歳。(三宅瞳)

(2019年10月16日朝刊掲載)

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