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谷本清平和賞に調律師矢川さん 被爆ピアノ国内外で演奏会

 公益財団法人ヒロシマ・ピース・センター(広島市佐伯区、鶴衛理事長)は16日、第31回谷本清平和賞に、安佐南区の調律師矢川光則さん(67)を選んだと発表した。被爆ピアノを使った平和コンサートを通じ、国内外に平和や核兵器廃絶の願いを伝え続けている点を評価した。

 矢川さんは、古いピアノを再生して寄贈する活動の中で被爆ピアノに出合い、現在は被爆者や遺族から6台を預かる。2001年に始めたコンサートは現在、全国で年間150回ほど開いており、調律や輸送も自ら担う。17年にはノルウェー・オスロであったノーベル平和賞の記念コンサートでも演奏された。

 矢川さんは両親が広島で被爆。「自分にできる平和運動として続けてきた。ピアノを託してくれた持ち主や家族も喜んでくれると思う」と話した。贈呈式は11月17日に中区である。

 同賞は被爆者支援に尽くした広島流川教会(中区)の故谷本清牧師の遺志を継ぎ、1987年に創設した。世界平和の実現に向け活動する個人や団体に贈っている。(明知隼二)

(2019年10月17日朝刊掲載)

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