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在日韓国人の被爆語る インドネシアの大学で李さん

 在日韓国人被爆者の李鐘根(イ・ジョングン)さん(90)=広島市安佐南区=が9月、インドネシア・バンドン市の二つの大学を訪問し、被爆体験を証言した。

 私立ウィドヤタマ大と国立パジャジャラン大で、李さんによるといずれも日本語学科の学生たち約300人が集まった。爆心地から約1・8キロで被爆した李さんは、原爆の絵などを見せながら、8月6日当日の様子や、在日韓国人2世と被爆者の立場を長年隠し、二重の差別に苦しんだ経験を語った。

 李さんは「参加者の大半が原爆被害について全く知らず、驚いた。広島の復興ぶりについて関心の高さを感じた」と振り返る。講演後、学生たちが「平和は大切」と何度も言ってきたといい「私との出会いを核兵器廃絶のために行動するきっかけにしてほしい」と話していた。

 インドネシアと交流を続ける神奈川県の市民団体「湘南とアジアの若者による未来創造事業実行委員会」の企画で、原爆展も開催。原爆放射線の健康障害を説明するパネルや、被爆後の惨状を捉えた写真を展示した。(新山京子)

(2019年10月28日朝刊掲載)

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