「民意示す」上関で攻防 参院山口補選 原発ゼロ撤回どう判断
13年4月16日
参院山口補選(28日投開票)は、民主党政権が定めた「原発ゼロ方針」を安倍政権が撤回した後、初めて実施される国政選挙。中国電力の上関原発(山口県上関町)建設計画もからみ、安倍晋三首相の「お膝元」でどれだけ原発エネルギー政策を浸透させ得票に結びつけるか―。与野党の攻防が熱を帯びている。(久保田剛)
自民党公認の江島潔氏(56)は14日、告示後初めて上関町に入った。原発について「国の全体方針が決まってから各論に入る」と態度を明確にしないが、建設予定地の造成に携わる業者の船のそばを選挙カーで走り抜けると、作業員が両手を大きく振って応えた。
補選で原発推進派は江島氏を支援する。選挙カーを先導した原電推進議員会会長の右田勝町議(71)は「安倍首相も注目している。圧勝して地元の建設への期待を示したい」。昨年の衆院選で自民党の岸信夫氏(54)が同町で1534票を獲得し、当時民主党の平岡秀夫氏(59)の612票に大差をつけたのを上回る圧勝を目指している。
これに対し15日、上関町に入った無所属の平岡氏は街頭で「安倍政権は夏の参院選後、上関原発にゴーサインを出す」と声を張り上げ、上関原発中止をアピール。平岡氏を推薦する民主党も当初から「脱原発」を争点の柱に据えている。
県内の原発反対派がこれに呼応し、4月上旬には宇部、下関市で平岡氏を支援する勝手連が発足。「脱原発」を旗印に昨年の知事選や衆院選山口1区に立候補したNPO法人代表飯田哲也氏の支援者らも加勢している。柳井市でも15日、市民団体が民主党最高顧問の菅直人元首相を招いて講演会を開催。約100人を集め「脱原発票の一本化」に懸命だ。
共産党公認の藤井直子氏(60)も「原発新増設を進めようとしている」などと安倍政権を批判。全原発の廃炉を掲げ、大飯原発(福井県)の再稼働を認めた民主党をも非難する。
幸福実現党公認の河井美和子氏(50)は上関原発に賛成の立場。電気料金高騰などを理由に必要性を訴える。
原子炉設置許可申請が全国で唯一提出されている上関原発計画。国の原発エネルギー政策の行方に影響を及ぼす可能性がある各候補の得票に、原発関係者ばかりでなく、多くの有権者の関心が集まっている。
(2013年4月16日朝刊掲載)
自民党公認の江島潔氏(56)は14日、告示後初めて上関町に入った。原発について「国の全体方針が決まってから各論に入る」と態度を明確にしないが、建設予定地の造成に携わる業者の船のそばを選挙カーで走り抜けると、作業員が両手を大きく振って応えた。
補選で原発推進派は江島氏を支援する。選挙カーを先導した原電推進議員会会長の右田勝町議(71)は「安倍首相も注目している。圧勝して地元の建設への期待を示したい」。昨年の衆院選で自民党の岸信夫氏(54)が同町で1534票を獲得し、当時民主党の平岡秀夫氏(59)の612票に大差をつけたのを上回る圧勝を目指している。
これに対し15日、上関町に入った無所属の平岡氏は街頭で「安倍政権は夏の参院選後、上関原発にゴーサインを出す」と声を張り上げ、上関原発中止をアピール。平岡氏を推薦する民主党も当初から「脱原発」を争点の柱に据えている。
県内の原発反対派がこれに呼応し、4月上旬には宇部、下関市で平岡氏を支援する勝手連が発足。「脱原発」を旗印に昨年の知事選や衆院選山口1区に立候補したNPO法人代表飯田哲也氏の支援者らも加勢している。柳井市でも15日、市民団体が民主党最高顧問の菅直人元首相を招いて講演会を開催。約100人を集め「脱原発票の一本化」に懸命だ。
共産党公認の藤井直子氏(60)も「原発新増設を進めようとしている」などと安倍政権を批判。全原発の廃炉を掲げ、大飯原発(福井県)の再稼働を認めた民主党をも非難する。
幸福実現党公認の河井美和子氏(50)は上関原発に賛成の立場。電気料金高騰などを理由に必要性を訴える。
原子炉設置許可申請が全国で唯一提出されている上関原発計画。国の原発エネルギー政策の行方に影響を及ぼす可能性がある各候補の得票に、原発関係者ばかりでなく、多くの有権者の関心が集まっている。
(2013年4月16日朝刊掲載)