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大林監督 平和への思い 東京国際映画祭で新作初上映

 尾道市出身の大林宣彦監督(81)の新作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」の初上映が1日、東京都内で開催中の東京国際映画祭であった。上映後、大林監督が登壇し、作品に込めた平和への思いを語った。

 同作は、映画の世界に入り込んだ3人の青年が、過去に起こった戦争を体験する物語。広島で原爆の犠牲になった移動演劇隊「桜隊」が登場する。大林監督作品としては約20年ぶりに尾道市などを主要ロケ地に撮影した。来年4月に公開される。

 大林監督は「登場人物になって、戦争で殺されることを考えて」と観客に呼び掛けた。今後の活動について、「戦争を知っている私が、知らない若者に映画を通じて伝えたい。映画は素晴らしい。ありがとう」と述べた。長年の映画界への貢献に対し、同映画祭から「特別功労賞」が贈られた。(西村文)

(2019年11月2日朝刊掲載)

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