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[法王 被爆地へ] 被爆教会 あの日神父らは 市内で9日 足跡たどるウオーキング 救護活動や再建学ぶ

 ローマ法王フランシスコの広島訪問を前に、被爆した広島市内の教会を知ってもらうウオーキングイベントが9日午後1時から、カトリック幟町教会(中区)を出発点にある。被爆建物の長束修道院(安佐南区)などで、救護活動に尽くした神父たちの足跡をたどる。企画した若手信者は「教会と原爆との関わりは、まだまだ知られていない」と、広く参加者を募っている。(明知隼二)

 長束修道院(旧修練院)までの約7キロを約3時間かけて歩く。幟町教会での神父たちの被爆やその後の再建、三篠教会(西区)の修道女たちによる救護活動などを学ぶ。終着点の長束修道院では、被爆者救護に当たった故ペドロ・アルペ神父との出会いから、若き日の法王が日本行きを望んだエピソードなども紹介。被爆者を受け入れた聖堂内部も見学する。

 信者で広告会社勤務のアンジェラ竹田舞さん(35)=南区=が企画し、案内役を務める。中区で被爆証言会を開いていたバーテンダー冨恵洋次郎さん(2017年に37歳で死去)との縁で7年前に福岡市から広島に移住し、教会の被爆の歴史に関心を寄せてきた。

 竹田さんは10~20代の頃、苦しむ人の救済を目指す教会の教えを「机上の空論」と感じて遠ざかった時期もあった。法王の就任後、実際に貧しい人に寄り添う姿勢や人柄を知り、再び教会に関わるようになった。今は、市内や近郊で暮らす海外出身の信者たちの生活を支援している。

 「懸命に被爆者を助けた教会の歴史や教皇(法王)の人柄を知り、自らの生き方を考えるきっかけにしてほしい」と話している。

 参加無料。当日は地図や関連資料を配る。雨天の場合は10日午後3時半から。竹田さん☎080(4266)1549。

(2019年11月7日朝刊掲載)

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