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似島 口伝の地名マップ 地域おこし隊員の小松さん 59紹介

 広島市南区の似島で活動する地域おこし協力隊員の小松健二さん(42)が、島に伝わる地名を紹介するマップを作った。島の観光案内所「ウエルカム似島」で無料配布している。

 A4判カラーで、59の地名を示した。島の南西の先端にある「地獄の鼻」は、人が足を踏み入れにくい岩場が続くことから名付けられたという。かつてカワウソが生息していたとされる「ウソの谷」、きれいな水が年中、湧き出る谷間に由来する「清水の窪(くぼ)」なども記す。

 小松さんは昨年9月、東京都港区から島に移り住んだ。島民と話すうち、地図にない多くの地名があると知り、「島の歴史を目に見える形で残したい」と思い立った。1998年発行の郷土史「似島の口伝と史実」の作成に携わった島民の宮崎佳都夫さん(71)に協力を依頼。郷土史の作成過程で宮崎さんが島民に聞き取ったり、自身が聞いたりした地名を盛り込んだ。

 観光案内所を拠点に、ガイドや会員制交流サイト(SNS)を通じて島の魅力を発信する小松さん。「島に来てマップを手に各地を巡ってほしい」と呼び掛ける。(高橋寧々)

(2019年11月16日朝刊掲載)

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