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非核外交の成果 岸田外相に聞く 被爆の伝承 各国が賛同

 オランダと英国を12日まで訪れ、二つの外相会合に出席した岸田文雄外相(広島1区)。被爆地広島出身の外相として臨んだ初の本格的な「非核外交」の成果と今後の課題を聞いた。(藤村潤平)

―核兵器を持たない10カ国でつくる軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)と主要国(G8)の両会合に出席しました。手応えは。

 NPDI外相会合は来春、広島市で開かれる。核被害の実相に直接触れてほしいと訴え、各国から前向きな答えをもらった。G8でも核軍縮・不拡散に取り組む姿勢を強調し、核兵器のない世界を目指すことの重要性を声明に盛り込めた。

 ―発案した「ユース非核特使」制度をNPDI外相会合で公表しました。

 被爆者の方々に非核特使として活躍いただいてきたが、平均年齢は78歳を超え、高齢化が進んでいる。被爆の実相を伝える役割を若い世代に引き継いでほしい。各国の賛同を得られてよかった。

 ―いつ頃、どんな形で始めますか。

 若い世代を国内外での国際会議などに派遣し、核被害の残酷さを訴えてもらう。準備を急ぎ、皆さんの関心が高いうちにスタートさせる。来春の広島会合で順調に動いていることを示したい。

 ―被爆国の役割をどう感じましたか。

 「ヒロシマ」と言うとすぐに反応がある。知名度と同時に、「核兵器のない世界に向けた議論にリーダーシップを」との期待の大きさも示している。責任の重さを感じている。

 今はまだ被爆地出身をアピールしている段階だが、相手の理解を得て、議論を深め、具体的な成果につなげていかなければ。現実的に一歩一歩、物事を進めていきたい。

(2013年4月17日朝刊掲載)

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