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音量データ開示求める 8・6デモ規制 広島市に実施団体

 広島市が8月6日の平和記念式典の会場で検討しているデモの音量規制を巡り、デモの実施団体は18日、今年の式典当日に市が測定した会場周辺の音量データなどを全て開示するよう市に求めた。開示状況や結果を踏まえて、拡声器の使用に工夫ができるかどうかを検討する。市はデータの開示について「持ち帰って検討したい」とした。

 市は被爆75年となる来年8月の式典に向けて、拡声器の音を規制する条例の制定も視野に、静ひつを確保する方法を検討している。団体に拡声器の音量抑制などをあらためて要請。今回の回答で要請が受け入れられない場合は、条例案の策定を本格化させる方針だった。市とデモの実施団体が歩み寄れるのか、難しい局面を迎えている。

 この日、最大のデモ実施団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」の8人が市役所を訪れた。中島健共同代表は、手元の情報だけでは対応策を検討できないとして「拡声器をいくつ、どの地点で使用することが、現状の改善につながり、適切な範囲内だと言えるのか検討したい」と説明。市が測定した式典中のデモの音量と音声データ、設置地点の写真などの開示を求めた。

 市民局の飯冨和雄次長は「話し合いで解決できればそれが一番良い」とし、同実行委との協議を継続する考えを示した。条例による音量の規制の検討も続けるとした。

 市は10月28日、同実行委に対し、式典中は拡声器の使用を控える▽拡声器の音量を下げる▽デモ行進のルートを変更する―の3点について文書で要請。期限を区切った回答を求めていた。条例を制定する場合、来年2月に議案を市議会に提出する考えを示している。

 同実行委は「憲法が保障する表現の自由を侵害する」などとして市の条例による規制に反対し、繰り返し申し入れをしている。被爆者団体も反対や慎重な姿勢を示している。(永山啓一)

広島市によるデモ音量規制の検討
 2018年9月、市議会一般質問で平和記念式典の静ひつを求める意見が出たことなどをきっかけに、市が条例制定を視野に検討を始めた。今年8月6日、式典の参列者を対象に行ったアンケートでは、最多の42・7%が「関係者に対する要請や話し合いを続けるべきだ」と回答。「条例などで音量を規制する措置を講ずるべきだ」は32・7%だった。市は10月、デモをしている団体に静ひつの確保を改めて要請していた。

(2019年11月19日朝刊掲載)

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