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核廃絶の訴え 意義強調 法王ビデオメッセージで岸田氏

 ローマ法王フランシスコが来日を前にビデオメッセージで「核兵器が二度と使われないよう共に祈る」などと訴えたことについて、被爆地選出の自民党の岸田文雄政調会長(広島1区)は19日の記者会見で「核なき世界を願う多くの関係者を勇気づける」と強調した。菅義偉官房長官も同日の会見で、法王の広島、長崎訪問を「国際社会に被爆の実相を正確に発信する上で極めて重要だ」と述べた。

 元外相の岸田氏は、法王の言葉を「大変意義がある」とする一方、核なき世界の実現について「プロセスを間違ってはいけない」と強調。核保有国と非保有国が厳しく対立する状況などに触れ、「条約をはじめ法的な拘束力があるものを主張しても、なかなか議論は前進しないのではないか」と述べた。

 菅氏は、被爆地訪問の意義を述べた後、「唯一の戦争被爆国として核兵器の非人道性を知るわが国は、核なき世界の実現に向け国際社会をリードする使命を有する。これはわが国の確固たる方針だ」とした。核兵器禁止条約の批准に関しては踏み込まなかった。

 自民と連立を組む公明党の山口那津男代表も同日の会見で、ローマ法王の来日に触れ、「わが国の政府も最終的には核兵器をなくしていく方向で取り組んでいる」と述べた。(下久保聖司、桑原正敏)

(2019年11月20日朝刊掲載)

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