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「平和の追い風に」準備着々 広島市内 出迎えムード 教皇24日訪問

 ローマ教皇(法王)フランシスコの広島訪問を翌日に控えた23日、広島市中区の平和記念公園では38年ぶりの教皇訪問に向けた準備が進んだ。国際的に影響力のある教皇が平和へのメッセージを発する予定で、迎える教会関係者たちは思いを共有する日に備えた。周辺の交通規制に向けて広島市などが協力を呼び掛けている。(明知隼二、久保田剛)

 「平和のための集い」がある平和記念公園では、観光客が行き来する中、参列者用の椅子や大型モニターの設置作業が行われた。

 カトリック幟町教会(中区)の世界平和記念聖堂では24日、信者が集まりスクリーンで集いの中継を見る。カトリック広島司教区の白浜満司教(57)は、昨秋に司教研修で会った教皇の印象を「吸い込まれるような優しさを感じた」と回想。核兵器廃絶を巡る国際情勢の厳しさに触れ「訪問が、平和を願い行動する広島の皆さんにとって追い風になれば。教会もその力になりたい」と話した。

 24日の集いは午後6時40分から。市は午後1時から、平和記念公園のうち平和大通りより北のデルタ地帯の立ち入りを制限する。原爆資料館、広島国際会議場、市観光案内所、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の4施設も閉館。教皇の退出後、資料館は午後8~10時、国際会議場は同7時40分~9時に臨時開館する予定でいる。市市民活動推進課は「市民や旅行者には不便な思いをさせるが、安全にメッセージを発してもらえるよう協力をお願いしたい」としている。

 県警は午後6時から8時まで、デルタ地帯を囲む元安川左岸と本川右岸の市道、平和大通りの3ルートを車両通行止めにする。

(2019年11月24日朝刊掲載)

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