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ドキュメント ローマ教皇 広島訪問

力強い訴え 市民に勇気 ローマ教皇 被爆地訪問

13・00 平和記念公園(広島市中区)内への立ち入り規制が始まる。松江市の店員伊藤愛さん(38)は「物々しい雰囲気」と驚きの表情。

16・00 「平和のための集い」の一般入場の受け付けが始まる。入場口付近で待つカトリック信徒の会社員中原富美代さん(50)=光市=は「雨が降らなければいいけど」と曇天を見上げた。

17・30 教皇が広島空港(三原市)に到着。タラップの下で信徒たちが出迎えた。花束を渡した三篠小5年木村駿作君(11)=広島市西区=は「優しそうな表情だった。頂いたロザリオを一生の宝物にする」。

18・40 教皇の車列が平和記念公園内に入り、平和のための集いが始まる。平和大通りでは、車の後部座席から手を振る教皇に沿道から「法王様」などと呼び掛ける声も。キリスト教の信徒という中山小5年コンティ・ジョバンニ君(11)=東区=は「もっとじっくり見たかった」。

18・43 パブリックビューイングが開かれたカトリック幟町教会(写真・中区)。スクリーンに教皇の姿が映ると、拍手が起こった。愛知県刈谷市から訪れた大原幹延さん(79)は「少しでも教皇の近くにいたいと駆け付けた。高齢なのによく来てくださった」と目を潤ませた。

19・00 教皇が原爆慰霊碑に献花。原爆ドーム前から幼い娘と一緒に見守った中区の主婦茶谷典子さん(40)は教皇の姿に感激。「広島にとっての大切な瞬間。娘に見せられて良かった」

19・06 被爆者の梶本淑子さんが、教皇を前に被爆体験を語り始める。

19・12 教皇が平和メッセージを述べ始める。14分間の演説。参列したイエズス会長束修道院の塩谷恵策神父(79)は「被爆者の心の痛みを受け止め、包み込む、父のような存在。核廃絶への被爆地の思いを後押ししてくれた」と語った。

19・27 会場内でボランティアを担った廿日市市の小原治朗さん(74)は38年前、教皇ヨハネ・パウロ2世の訪問時、警察官として最前列で警備に当たった。「寒さも忘れる緊張感の中にあった前回と違って、落ち着いてメッセージを聞けた。世界の一人一人に核廃絶のため行動してほしいと願う教皇の強い思いを感じた」

19・34 教皇が車に乗り込み、平和記念公園を出発。

19・56 公園内への立ち入り規制解除。原爆慰霊碑前には人だかりができた。

20・55 教皇が広島空港を離陸。カトリック広島司教区職員伊藤加恵さん(49)=西区=は見送りの際、広島市立広島工業高(南区)の生徒が作った銅板折り鶴を手渡した。「高校生が平和への祈りを込めて作ったと伝えると、すごくうれしそうに『ありがとう』と言ってくださった」

(2019年11月25日朝刊掲載)

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