×

ニュース

放射線災害対応の最前線報告 広島 小児科学会の集会始まる

 日本小児科学会の学術集会が19日、広島市中区の広島国際会議場を主会場として始まった。広島での開催は45年ぶり。全国の小児科医や医療関係者約4500人が21日まで、最新医療などを学ぶ。

 初日は市民公開講座「放射線災害から子どもを守る」があった。広島や福島、チェルノブイリで治療に携わる医師6人が講演。約150人が参加した。

 広島大原爆放射線医科学研究所の神谷研二所長は「広島では被爆時の年齢が若いほどがんのリスクが高い」と指摘。「福島でも子どもと妊婦の放射線防護が大切になる。県民の健康を見守り、不安と思いに寄り添う必要がある」と強調した。

 福島県立医科大の細矢光亮教授は、福島第1原発事故を受けた福島県の県民健康調査について、「健康被害を恐れ、乳幼児を中心とする県外避難も続く。調査は不安解消の一助になる」と話した。

 専門家向けの特別講演では、東京大大学院の辻省次教授(脳神経医学)が「神経疾患と最新の遺伝子解析」と題して講演した。遺伝子解析の進歩で難病の原因が解明され、治療に応用できるようになることを解説した。(永里真弓)

(2013年4月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ