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「青い目の人形ドリス」が版画に 尾道市瀬戸田の作家、浦崎小に贈る

 米国から戦前に友好のしるしとして全国の小学校などに贈られた青い目の人形「ドリス」が残る広島県尾道市の浦崎小で19日、この人形をモチーフにした版画の贈呈式があった。制作した同市瀬戸田町の版画家みやち治美さんが訪れ、児童に平和の尊さを伝えた。

 体育館であった式には全児童121人が出席。みやちさんがドリスのメッセージとして「戦争はみんな嫌い。大人になったら平和な世界にしてほしい」と代弁し、梶原弘志校長に作品を手渡した。

 版画は縦13センチ、横16センチ。太陽光を利用したソーラー版画でドリスの顔を描き、黄土色をベースに色付けした。みやちさんは2010年、前校長から人形の逸話を聞き、制作に取り掛かったという。

 同校によると、人形は1981年の校舎建て替えの際に見つかった。27(昭和2)年に贈られたもので戦時中、各地の人形の大半が処分された中「人形に罪はない」と同校の教師が隠したという。

 6年酒井舜平君(11)は「平和の大切さなど人形に込められた思いを引き継ぎたい」と話した。(鈴木大介)

(2013年4月20日朝刊掲載)

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