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反人道罪 連鎖断ち切るには 広島で15日国際シンポ 元市長の平岡氏ら講演

 国際シンポジウム「核兵器と反人道罪のない世界へ」が15日、広島市中区の広島国際会議場である。国際刑事裁判所(ICC、オランダ)の尾崎久仁子前判事と、平岡敬・元広島市長が講演する。広島市立大、中国新聞社と長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)の主催。

 核兵器の非人道性を、被爆者たちはヒロシマ・ナガサキの経験から訴えてきた。そこから視野を広げ、世界の紛争現場などで起きている暴力と人権侵害も含め、負の連鎖をどう断ち切るかを共に考える。核兵器や戦争犯罪などを規制する法制度について理解を深めるとともに、平和な世界に向けた広島の市民の役割と連帯の在り方を探る。

 ICCは、人道に対する罪や大量虐殺、戦争犯罪を犯した個人を裁く常設の国際刑事法廷。府中市出身の尾崎氏は、外務省人権人道課長などを経て2010年にICC判事になり、15~18年に副所長を務めた。ICC創設までの歴史と現在の役割、ICCが抱えている課題について基調講演する。

 平岡氏は国家間の紛争を法的に解決する役割を担う国際司法裁判所(ICJ、オランダ)で1995年、核兵器の違法性について広島市長として意見陳述した。「核兵器の非人道性とその規制について」と題して特別講演し、2年前に核兵器禁止条約が実現するまでの国際社会の努力や法的判断の積み重ねについて、中国新聞記者だった60年代当時の取材体験も交えて語る。

 パネル討論などもあり、国際法が専門の大阪大の真山全教授と関西学院大の望月康恵教授、世界各地の紛争地の現場で活動しているNPO法人「日本紛争予防センター」の瀬谷ルミ子理事長も登壇する。

 会場は地下2階ヒマワリで、15日午後1時開場、1時半開演。入場無料。事前申し込み不要。会場に先着した450人分の席を用意している。英語の同時通訳と手話通訳あり。広島市立大広島平和研究所☎082(830)1811。(金崎由美)

(2019年12月2日朝刊掲載)

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