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被爆資料の継承 助教が課題指摘 中区で講演会

 被爆資料の継承などをテーマに、広島大の研究者が語る講演会が1日、広島市中区の市立中央図書館であった。市立図書館と広島大図書館の連携事業の一環で、約50人が訪れた。

 同大原爆放射線医科学研究所(南区)の久保田明子助教が、被爆者を調べた報告書や血液などの生体試料の保存状況を説明。「被爆75年が近づき、資料の散逸や劣化が課題になっている」と指摘した。一方で「体と心の痛みを呼び覚ます記録を残したくない被爆者もいる」と強調した。

 福山城(福山市)の歴史についての講演もあった。同大総合博物館(東広島市)の佐藤大規学芸職員が、京都の伏見城から移築されたとされる伏見櫓(やぐら)と、筋鉄(すじがね)御門の構造に触れ「江戸時代からの場所に現存する県内唯一の城郭建築で、貴重な文化財だ」と意義を語った。(村上和生)

(2019年12月2日朝刊掲載)

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