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被服支廠の安全策 広島県原案 4日県議会委に提示

 広島県の湯崎英彦知事は3日、老朽化した広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)の安全対策の原案を、4日の県議会総務委員会に示すと明らかにした。記者会見で「いろいろな皆さんの意見を受け止め、早急に対応方針をまとめていく」と述べた。

 県は10月、所有する3棟のそれぞれで、耐震化、外観保存、解体の方向性を組み合わせた6パターンを公表した。関係者によると原案では、爆心地に最も近い1号棟を保存し、2、3号棟を解体・撤去する。

 湯崎知事は被服支廠の現状について「震度6強の地震で倒壊、あるいは崩壊する危険性が高い。早急に安全対策が必要だ」と強調。長期的に保存するための耐震化は「非常に大きなコストがかかる」と説明した。

 一方、3棟全ての保存を県に要望した市民団体の声についても「非常に重要な被爆建物であり、気持ちは十分に理解できる」と受け止めた。被爆建物をできるだけ保存する姿勢は県も同じとして「県財政の影響も考慮し、ふさわしい保存の在り方を検討していく」と訴えた。(村田拓也)

(2019年12月4日朝刊掲載)

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