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ヒバクシャ署名 山口知事応じず 「国の取り組み尊重」

 核兵器禁止条約の締結を全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」に関し、山口県の村岡嗣政知事は4日の県議会一般質問で、これまで通り署名に応じない考えを示した。核兵器廃絶を訴えるローマ教皇の広島訪問を受けた県議の質問に答弁。議会後、中国新聞の取材に「条約交渉に参加しない政府の取り組みを尊重する。教皇が言っているとかは関係ない」と答えた。

 社民系の県議が核兵器の使用を「倫理に反する」と明確に否定した教皇の発言を踏まえ「署名する考えはないか」とただした。村岡知事は「核兵器廃絶は強く願っているが、手法については国で検討してほしい。私は国の取り組みを尊重し現時点では署名を考えていない」と述べた。

 署名は日本被団協などの連絡会が2016年開始。これまでに約1052万筆が集まり、広島や島根など20府県と1200市町村の首長も応じている。広島県の湯崎英彦知事は3日の定例記者会見で政府に条約の署名・批准をするよう要望する考えを示している。

 村岡知事は総務省官僚時代の02~05年、出向した広島市で財政課長を勤めた。

(2019年12月5日朝刊掲載)

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