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「山口も見直すべきだ」 地上イージス 政府が秋田で検討 住民や阿武町長訴え

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡り、政府が秋田市の配備計画を見直す方向で検討に入ったのを受け、もう一つの候補地である山口県の萩市と阿武町の住民から「山口も見直すべきだ」との声が上がった。予定地と住宅地との距離を考慮する政府の新たな方針に花田憲彦町長は「山口も適地でない。除外すべきだ」と訴えた。(門脇正樹、和多正憲)

 秋田市では地上イージスの候補地から住宅地まで700メートルしか離れておらず、地元の反発が根強い。このため政府は「候補地と住宅地の距離」を考慮する方針を新たに示していた。

 陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)への配備計画の撤回を求める「住民の会」の森上雅昭代表(67)は、政府の姿勢を歓迎し「むつみはもっと近くに住宅がある。当然見直されるべきだ」と主張。阿武町の有権者の半数が加入する「町民の会」の吉岡勝会長(66)も「秋田と比べ人口は少ないとはいえ命の重さに変わりはない。われわれを無視せず、配備をゼロから見直すべきだ」と求める。

 花田町長も政府の方針を高く評価。この日の町議会本会議で「大変的を射ている。むつみ演習場も全く同様で候補地からの除外に大きな期待を寄せている」として改めて反対の立場を強調。17日に県庁である防衛副大臣との面会で直接伝える考えだ。

 一方、藤道健二市長は「距離だけの問題ではない。住民の安心安全が確保できるかが最大の論点だ」と述べた。また、村岡嗣政知事は、政府が山口と秋田へのイージス配備が最も効果的に日本をミサイルから守れると説明してきた点を指摘。「その前提が大きく狂うなら話は根本的に変わってくる」と今後の動向を注視する考えを示した。

(2019年12月12日朝刊掲載)

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