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島根原発 松江市民の賛否二分 本社調査 安全性と経済を反映

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)1、2号機の再稼働と3号機の稼働について、立地する松江市民の賛否がほぼ二分されていることが22日、分かった。21日投開票された松江市長選に合わせ、中国新聞社が有権者309人に聞いた出口調査で明らかになった。

 一方で「どちらとも言えない」が半数近くに上った。福島第1原発事故を受けた安全性への懸念と、原発関連の雇用などによる経済効果のはざまで、揺れる民意を反映した。

 調査は投開票日と、期日前投票日のうちの3日間(18~20日)に、旧市内11、旧郡部8の計19投票所で対面で実施した。

 309人のうち再稼働・稼働への賛成は88人で28・5%、反対は83人で26・9%。「どちらとも言えない」は138人で44・7%だった。

 年齢別では、若年層で賛成の割合が高く、高齢ほど反対が多い傾向が出た。20~40代は賛成(25・0~34・0%)が反対(9・4~24・5%)を上回った。50~80代以上では反対(27・6~50・0%)が賛成(16・7~33・3%)より多かった。

 支持政党別では、最多だった自民党支持者140人のうち55人(39・3%)が賛成し、賛成者全体の約6割を占めた。反対は26人(18・6%)。

 立候補者3氏への投票理由では、原発政策を決め手とした人は84人で27・2%にとどまった。原子力規制委員会が7月、稼働条件として新たな規制基準を示す計画で、3選された現職松浦正敬氏(65)の対応が注目される。

 島根原発は1、2号機が定期検査で停止中。3号機は建設中だが建物は完成している。(樋口浩二)

(2013年4月23日朝刊掲載)

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