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香港の監督 被爆2世と交流 映画で結ぶ 平和の思い

 香港の映画監督マン・ラムさん(44)が、自身と広島県熊野町の被爆2世、坪内義徳さん(66)との交流、平和への思いを題材にしたドキュメンタリー映画を制作している。23日、広島市中区の平和記念公園でロケをした。

 ラムさんは平和への思いを共有しようと昨年8月6日の平和記念式典に参列し、広島を舞台にした映画制作を思い立つ。

 11月に「ダマー映画祭inヒロシマ」で再び広島を訪れた際、知人に紹介された坪内さんから、救援のために入市被爆した母ツキミさん(91)の体験を聞いた。これを機に親交を持ったラムさんと坪内さんは、ツキミさんの「あの日」をたどりながら友情や平和の大切さを訴えるドキュメンタリーの構想を練った。

 広島ロケは今月18日から始まった。広島フィルム・コミッション(広島市中区)のサポートを受け、28日まで予定する。平和記念公園のロケでは、元安川の水面に映る原爆ドームを見詰めながら、ツキミさんを思う坪内さんの姿を撮影した。

 ラムさんは「私と彼の友情を通じ、未来志向で平和への思いを発信したい」。坪内さんは「幼い頃から母に教えられた命の大切さを次代に伝える作品になれば」と話す。

 映画は30分程度に編集し、ことし11月のダマー映画祭inヒロシマで公開する予定だ。(岡田浩平)

(2013年4月24日朝刊掲載)

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