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島根原発3号機 「後世に負の遺産残す」 住民会見 きょう差し止め提訴

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)で建設中の3号機について、中電に運転差し止めを求める訴訟を松江地裁に起こす松江市などの住民グループが23日、同市の島根県庁で会見した。放射性物質が拡散した福島第1原発事故を受け、地震や津波による事故のリスクを主張する方針を示した。

 福島の事故以来全国で原発訴訟が相次ぐが、新規稼働の可能性がある原発が対象の訴訟は初めて。原告弁護団の事務局長に就く水野彰子(あやこ)弁護士は「3号機が国内で最後まで動く原発になれば、後世に負の遺産を残す」と訴えた。

 原告は、住民グループ「島根原発3号機の運転をやめさせる訴訟の会」(同市)を母体に組織。総数は島根、鳥取県の約300人を含む全国約430人となる見込み。国に3号機の原子炉設置許可の無効確認を求める行政訴訟とともに24日、提訴する。

 この日示した訴状骨子によると、福島の事故で地震による機器の損傷があったとして、島根原発近くの宍道断層(22キロ)のずれに伴う地震や津波の危険性を主張する。改良沸騰水型である原子炉の構造についても危険性を訴える。(樋口浩二)

(2013年4月24日朝刊掲載)

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