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「この世界」長尺版全国公開 舞台の呉でファンの列

 アニメ映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が20日、全国公開され、作品の舞台となった呉市でも市内外のファンが映画館に詰め掛けた。市内の業者も公開に合わせて関連グッズの販売を始めた。

 1日3回の上映を予定する呉ポポロシアターでは、初回の上映前にチケットを買い求める人の列ができ、県外から訪れた人の姿も見られた。同シアターがある市中心部の呉中通商店街れんがどおりでは映画のポスターが張り出され、前作と同様、ロングラン上映に期待を寄せた。

 作品は戦時中の広島、呉両市を描き、大ヒットした前作のアニメ映画「この世界の片隅に」に新たなシーンを加えた長尺版。初回の上映を観賞した呉市中央の国家公務員平原猛史さん(43)は「戦争を知らない世代にとって勉強になる作品。前作と比べ、よりリアリティーを感じられる内容だった」と話していた。

 公開に合わせ、戦前から続く老舗の金子製菓(伏原)は映画のイラストをあしらったあられの販売を始めた。制服のフジ(中通)もイラスト入りのトートバッグを売り出した。いずれも大和ミュージアムなどで取り扱う。この他にも巾着袋など関連の新商品の準備が進んでいる。

 同シアターでは22日午後1時45分からの上映後、片渕須直監督たちの舞台あいさつが予定されている。(浜村満大)

(2019年12月21日朝刊掲載)

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