×

ニュース

核不使用賛同せず 安全保障を鑑み結論 岸田外相答弁 「協議時間切れ」

 スイス・ジュネーブで開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会で発表された核兵器の不使用を求める共同声明に日本政府が賛同しなかった問題で、岸田文雄外相(広島1区)は26日の衆院外務委員会で「わが国の安全保障環境を鑑みた結果だ」と述べた。

 共産党の笠井亮氏(比例東京)への答弁。岸田氏は「(声明の)基本的な考えは支持している。表現をぎりぎりまで協議したが時間切れで整わなかった」と釈明した。菅義偉官房長官が前日の記者会見で説明した内容を踏襲した。

 一方で、若い世代に核兵器の悲惨さを訴えてもらう「ユース非核特使」制度の新設を挙げ、「国際的な核軍縮を主導するべく関連政策を強化する」と強調した。

 共同声明の賛同国に日本が加わらなかったのは「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類生存に寄与する」とのくだりに引っかかったため。「いかなる状況下でも」との文言の削除を求めた。

 笠井氏は広島の被爆2世。「被爆地出身の外相として、状況によっては核兵器の使用を認めるのか」とただしたのに対し、岸田氏は経緯の説明を繰り返し、見解を示さなかった。(藤村潤平)

(2013年4月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ