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中電、219億円赤字 原発停止打撃

 中国電力が26日発表した2013年3月期決算は、純損益が219億5100万円の最終赤字となった。島根原子力発電所(松江市)の稼働停止で燃料費がかさみ、収益が悪化。電力事業のもうけを示す営業損失も40億500万円と初めて赤字になった。

 最終赤字は4年ぶりで、原油高で燃料費がかさんだ09年3月期に次ぐ規模となる。収益改善に向けた電気料金の値上げについては、苅田知英社長は「検討していない」とあらためて否定した。

 13年3月期の売上高は1兆1997億2700万円で前年に比べ1・6%増え、過去最高になった。節電などで電力販売は落ち込んだが、燃料高を料金に反映する制度があり、額を押し上げた。

 原発停止を火力発電でカバーしたため、燃料費は前年より465億円増加。発電設備の補修を控えるなどコストを削ったが、純損失は1月時点の見込みから60億円余り圧縮しただけにとどまった。

 今期は景気回復で電力販売が増えるとみて、売上高1兆2310億円と増収を見込む。ただ、島根原発の再稼働時期を見通すことが難しく、利益予想、配当は「未定」とした。

 新たな規制基準などに対応するため、島根原発の安全対策費が総額で約1千億円に上り、従来よりほぼ倍増する見通しも明らかにした。

 また、中電は同日、島根原発の12年度の運転実績を島根、鳥取県と原発30キロ圏にある両県6市に報告した。福島第1原発事故の影響で1、2号機とも稼働率はゼロ。2号機が運転を始めた1989年以来初の事態となった。(山瀬隆弘、樋口浩二)

(2013年4月27日朝刊掲載)

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