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『核兵器はなくせる』 ヒロシマ・ナガサキ議定書 PR 市民が解説絵本出版へ

■記者 桑島美帆

 2020年までの核兵器廃絶に向け平和市長会議が提唱している「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を広く普及しようと、広島の市民有志がキャンペーンに乗り出す。議定書を読み解く絵本を出版し、全国規模でアピールする計画だ。

 市民グループ代表や被爆者、デザイナー、大学生ら約20人が賛同者として名を連ねている。これまでの準備会合では、活動母体となる「2020ビジョン・キャンペーン委員会(仮称)」を4月中に発足させ、事務局長は市留学生会館の西村陽子館長が務めることを申し合わせた。

 絵本の出版は、難解な専門用語が多い議定書の内容を分かりやすくPRするのが目的。イラストレーターの黒田征太郎さんが絵を手がけることを快諾。詩人やコピーライターに執筆を依頼し、出版後は各地で読み聞かせの集いも計画していく。

 市民レベルの活動は、ピースボート(東京)主催の地球一周航海に参加した福山市の被爆者、磯博夫さん(67)が今年1月に帰国後、「海外では平和市長会議の訴えは一定に知られているが、国内での知名度が低い」と広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長に提案したのがきっかけ。

 委員会は近く事務局を設け、市長会議と連携を図りながら活動に取り組む。活動資金のカンパも募る。西村事務局長は「議定書を広く知ってもらい、国連などの場で核兵器廃絶に向け積極的に行動するよう日本政府にも働きかけたい」と話している。


ヒロシマ・ナガサキ議定書
 2020年までの核兵器廃絶を目指す「2020ビジョン」を実現する具体的な手順として、平和市長会議が国際社会に提案した。核兵器の取得や使用、それにつながる行為を禁止する条約の制定などが柱。来年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議での採択を目指している。

(2009年4月2日朝刊掲載)

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