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広島研修 拡充に意欲 ユニタール本部長が視察

 スイス・ジュネーブに本部がある国連訓練調査研究所(ユニタール)のサリー・フィーガンワイレス本部長が26日、広島市を訪れた。昨年10月の就任からは初めて。ことしで開設10年の広島事務所(中区)について「紛争地復興のための人材育成に向け、被爆地広島での研修を拡充させたい」と話した。

 アイルランド出身のフィーガンワイレス本部長はこの日、平和記念公園(中区)を訪れた。志賀賢治館長の案内で原爆資料館を見学し、原爆慰霊碑に花を手向けた。爆心地から2・4キロの牛田町(現東区)で被爆した小倉桂子さん(75)=中区=の被爆体験も聞いた。

 フィーガンワイレス本部長は「(資料館の)黒焦げの弁当箱に胸を揺さぶられた」と涙を拭って話し、「広島を訪ねる経験はとても大事。紛争地から多くの研修生を招く取り組みを広げたい」と強調した。

 ユニタールは、国連に加盟する発展途上国の人材育成を担う。2003年に開設された広島事務所は、アジア・太平洋地域の政府関係者たちを招いた研修に力を入れている。(加納亜弥)

(2013年4月27日朝刊掲載)

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