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本川小と米国 復興期の交流 米在住の重藤さん出版 実話に基づく創作物語

 原爆で壊滅的な被害を受けた本川小(広島市中区)へ1947年に支援物資を寄せた米国人と、そのお返しに絵を描いて送った児童たちの実話に基づく創作物語「夢のクレヨン希望にのって」を三次市出身で米国メリーランド州在住の舞台芸術家、重藤マナーレ静美さんが出版した。

 原爆で家族を失った少女が、本川小に通いながら懸命に生きるストーリー。絵を描いた当時の児童たちがモデルで、復興期の広島の歩みが中高生にも分かるよう平易に描写されている。

 2012年に出版した本を全面的に書き換えたもので、米国から届いた物資に喜ぶ児童の写真や、児童の絵48枚などの資料も多く掲載。重藤さんは「ヒロシマを知らない人に手に取ってもらい、被爆地と本川小を訪れるきっかけに」と話す。

 重藤さんは、06年に米国の教会を訪れた際、児童の絵を見せられ感銘を受けた。傷んだ作品の修復や広島での展示会の実現に貢献したほか、記録映画も製作している。その活動に共感する元児童らが、今回の出版に全面協力している。文芸出版刊。A5判、192ページ。1300円。シズミ・ピース・プロジェクト日本委員会を通した注文は送料込み千円。世良さん☎090(4651)4744。

(2020年1月13日朝刊掲載)

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