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被服支廠保存へ募金 広島の団体 東京の講座で表明

 広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」の保存方法を考える講座が19日、東京都内であった。広島市の市民団体のメンバーが全棟保存の必要性を訴え、近く募金活動を始めることも明らかにした。

 市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」の多賀俊介さん(70)=広島市西区=が冒頭、全棟保存に必要な安全対策費を集めるため、募金活動の開始に向けて口座開設などの準備をしていると報告した。

 その後、被服支廠の戦時中の役割や、同会の取り組みを紹介。「被爆した軍都を象徴する建物。世界の人、次世代の人のためにも全棟を残さなければならない」と強調した。

 被爆2世の武蔵大の永田浩三教授(65)=メディア社会学=が講演。救護所となった被服支廠の惨状を詩人の峠三吉がつづった「倉庫の記録」を紹介し、「この建物を残すことは非常に意義がある」と語った。

 東京都立川市の元高校教諭竹内良男さん(71)が2016年1月に都内で始めた「ヒロシマ連続講座」の一環で、約60人が参加した。(河野揚)

(2020年1月20日朝刊掲載)

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