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ヒロシマ描く絵おと芝居 紙芝居作家福本さんら来月南区 音楽とともに上演

「被爆75年 考える機会に」

 原爆投下後の広島の1週間を描いた紙芝居に音楽を付けて読み上げる絵おと芝居「ヒロシマ7DAYS」が2月1日、広島市南区西蟹屋の純音楽茶房ムシカで上演される。2018年に発足したヒロシマ絵おと芝居実行委員会が初めて企画。メンバーたちが練習に励んでいる。(石井雄一)

 ヒロシマ7DAYSは、紙芝居作家福本英伸さん(63)=西区=が被爆者の体験を聞き取って5年前に制作した。母親を捜して疎開先から市中心部に入った女の子が惨状を目の当たりにしつつ、再会を果たす物語。枕の中に米を備蓄していた市民の暮らしぶりや、被爆直後から水道が使えた当時の様子も伝える。

 福本さんは、紙芝居を発展させて多くの人に届けたいと、音楽とともに上演するスタイルを「絵おと芝居」と名付け、数年前から都内や東日本大震災で被災した福島県内で上演してきた。福本さんの思いに共感した広島の知人たちが18年、実行委を結成した。

 今回、音楽を手掛けたのは実行委会長の音楽家梶川純司さん(68)=佐伯区。「音楽とせりふが補い合う、味わい深さに浸ってほしい」と話す。被爆翌年の大みそかに「第九」のレコードを流し、市民を勇気づけたムシカが3月末で閉店することもあり、会場に選んだ。

 読み手には地元劇団のメンバーや市民も参加。実行委の呼び掛けに応じて読み手に加わった工藤美知子さん(71)=安芸区=は「今年は被爆75年の節目。どう伝えるか葛藤はあるが、皆さんと一緒に考える機会になれば」と意気込む。上演は午後3時から。入場料千円。実行委☎070(5686)6185。

(2020年1月24日朝刊掲載)

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