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被災地支援に感謝の鍋 宮城の前市民会館長ら浜田を訪問 

 東日本大震災で、避難所となった宮城県気仙沼市の市民会館の前館長たち3人が29日、浜田市を訪れ、同会館で支援活動をした同市の災害派遣職員と再会を果たした。この日の浜田の恒例行事「浜っ子春まつり」で、感謝の気持ちを込めて気仙沼で人気の鍋を市民に振る舞った。(浜岡学)

 浜田市は、浜田漁港と気仙沼漁港(気仙沼市)が、全国で13港ある「特定第3種漁港」の指定を受けている縁で、震災直後から延べ148人の職員を派遣した。

 訪れたのは、前気仙沼市長の鈴木昇さん(69)と同館前館長の松下尚子さん(67)、地元復興ボランティア支援団体会長の小山逸子さん(77)。

 大震災直後の2011年3月31日から6月まで、避難所の運営や炊き出しなどで浜田市職員にお世話になった恩返しにと、当時同館館長だった松下さんが2人と一緒に訪れた。松下さんは「震災直後は全員がパニックだった。浜田市の継続的な人的支援は何よりも心強かった。涙が出るくらいうれしかった」と当時を振り返る。

 この日は祭り会場で、ホルモン鍋300食を同館で支援に当たった市職員約20人たちと無料で配った。一緒に配った市観光振興課の前本淑子さん(42)は「震災から2年が過ぎたが被災地を思う気持ちを忘れず自分ができる支援を続けていきたい」と話していた。

 鍋は約20分でなくなった。松下さんは「皆さんに喜んでもらって良かった。今後もいろんな形で交流を深めたい」と笑顔だった。

(2013年4月30日朝刊掲載)

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