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写真で伝える 祝島の日常 広島県呉 會田さんの37枚展示

 広島県呉市出身の写真家會田(あいだ)園さん(26)=東京都=が撮影した祝島(山口県上関町)の人々や風景を集めた作品展が、同市西中央の「くれえばんbookcafe」で開かれている。5月20日まで。無料。

 4年かけて撮りためた約1700枚から37枚を選んだ。沖で魚を狙う漁師や港にたゆたう漁船、石と粘土を積み上げた島特有の「練り塀」の前を歩く女性、街角のお年寄りたちを淡々と捉えている。

 會田さんは呉市の宮原高を卒業後、東京の短大に進学。会社員だった2009年、写真のワークショップで祝島を初めて訪ねた。現地では中国電力の上関原発計画への反対運動が続く。だが、反対運動だけでは島の本当の姿は伝えられないと感じた。

 独立してからも、雑誌カメラマンなどをしながら年に何度か祝島に渡り、シャッターを押して歩く。

 會田さんの写真には原発反対運動の場面は少なく、日常の光景や人々の暮らしから島の様子が浮かび上がる。一連の作品は若手対象のコニカミノルタの「フォト・プレミオ」12年度年間大賞に輝いた。

 會田さんは「さまざまな事情を抱える島の空気を写したい」と追い続ける。日曜祝日は休み。同cafeTel0823(25)9090。(広重久美子)

(2013年4月30日朝刊掲載)

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