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「全棟保存」の声相次ぐ 被服支廠 自民議連会合

 自民党の「被爆者救済並びに核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を推進する議員連盟」は28日、党本部で会合を開き、広島市内で最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」の解体の是非について議論した。「全棟保存すべきだ」との意見が相次いだ。2月22日に現地視察し、議連の主張をまとめる。

 現存する4棟のうち3棟を所有する広島県が昨年12月に「2棟解体、1棟の外観保存」とする原案を示し、賛否の議論が起こっている。残る1棟を所有する国は、県の動向を見ながら解体することも視野に入れている。

 議連の河村建夫会長(山口3区)は「被爆の実態を伝える物をしっかりと守っていきたい」とあいさつ。平口洋事務局長(広島2区)は、県の意見公募に回答した延べ2232人のうち60%が原案に反対だったことなどを報告した。

 意見交換で寺田稔代表世話人(広島5区)が現地視察を提案。小島敏文厚生労働政務官(比例中国)は「建物を残すのは大変だが、その努力をしなければならない」と話した。平口氏も全棟保存を訴えた。

 現地視察に先立ち、2月12日に東京都内で広島県の担当者から聞き取りをする。(河野揚)

(2020年1月29日朝刊掲載)

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