×

ニュース

シベリア抑留 反戦の絵筆 福山 四国五郎さん企画展

 峠三吉の「原爆詩集」表紙絵や絵本「おこりじぞう」の挿絵で知られる画家四国五郎さん(1924~2014年)が自らのシベリア抑留時代を描いた絵画や資料の企画展が、福山市丸之内の市人権平和資料館で開かれている。3月25日まで。

 労働の様子や遺体を運んだ記憶を描いた油絵、新聞の挿絵として描いたペン画など約40点を並べる。抑留中に豆日記を隠した靴、亡くなった仲間の名やスケッチを刻んだ飯ごうなどの現物資料もそろえた。

 四国さんは旧満州(中国東北部)で敗戦を迎え、約3年間シベリアに抑留された。1991年にシベリアを再訪して以降、本格的に体験を描き始めた。

 寺地靖仁副館長は「戦争が終わっても続いた、弱い立場の人間が受けた苦難を考えてほしい」と話している。一般100円、高校生以下無料。2月2日には、長男光さんの講演会がある。午後1時半~3時で無料。同館☎084(924)6789。(吉原健太郎)

(2020年1月31日朝刊掲載)

年別アーカイブ