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デモ音量「対話解決を」 弁護士会 広島市に声明提出

 広島市が8月6日の平和記念式典の静粛を確保するため、デモ団体の拡声器の音量を規制する条例を検討していることを受け、広島弁護士会は31日、話し合いによる解決を求める会長声明を市に提出した。会長の今井光弁護士たち5人が市役所を訪れ、市民局の政氏昭夫局長に手渡した。

 声明は、市が条例制定の可能性に言及しながら、デモ団体に静粛の確保を要請することは「表現の自由を実質的に制約するものである」と言及。条例を制定した場合「市の意に沿わない意見表明を行う団体に対してのみ圧力をかけることも可能になる恐れがある」との懸念を示し、対話による解決を求めた。

 今井弁護士は「表現、言論の自由は市民が世界に核兵器廃絶や恒久平和を訴えるために必要。条例で規制した場合、広島市は国際平和文化都市とは言えなくなる」と強調した。政氏局長は「声明の趣旨は受け止める。団体と具体的にどの程度の音量なら許容できるかを話し合う」と説明し、話し合いでの解決を優先する考えを示した。住民への周知期間や準備作業を考慮すると、ことしの式典までの条例制定は困難になっている。(永山啓一)

(2020年2月1日朝刊掲載)

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