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米高校生に非核訴え 広島の被爆者ら NYで講演

 米ニューヨーク市内の高校で29日、広島の原爆被爆者や原爆投下を命じたトルーマン米大統領(当時)の孫らが約200人の高校生を前に講演し、核兵器の悲惨さを訴えた。(ニューヨーク発 山本慶一朗)

 在日韓国人の被爆者、李鐘根(イ・ジョングン)さん(84)=広島市=は、爆風によるやけどで生死の境目をさまよった体験を証言。生徒から「核兵器の保有が平和につながるのでは」と問われると「絶対にない」と即座に否定した。

 広島で被爆し、現在は米ロサンゼルスで暮らす笹森恵子さん(80)は「どんな災害よりも多くの人が死ぬのが戦争。今のままでは世界がつぶれてしまう」と平和の大切さを強調した。

 トルーマン元大統領の孫クリフトン・トルーマン・ダニエルさん(55)は、生徒から祖父を恨んでいるか問われ「当時は今と時代が違い、難しい決断だった」と話した。

 生徒たちは終了後、次々に被爆者らに握手を求めた。笹森さんは「真剣に聞いてもらえて(平和の)希望が湧いた。世界中どこにでも行って話をしたい。これが私の使命です」と話した。

 高校生のジェイド・ポーラードさん(15)は「彼らの話を広めていくことが平和につながると思う」と話した。

(2013年5月1日朝刊掲載)

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