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緑地帯 にぎわい施設を 平和大通り再生 広島市へ提言 パークPFI導入

 広島市中区の「東西の軸」と呼ばれる平和大通りに人の流れを呼び込もうと、周辺の事業者や住民でつくる検討協議会が4日、松井一実市長に新たな取り組みを提言した。道路扱いである平和大通りの緑地帯を都市公園に変え、民間事業者による「パークPFI」の導入でカフェなどのにぎわい施設整備につなげる内容。「老若男女が年間通じて安全に歩き、憩える空間にしよう」と呼び掛けた。(加納亜弥)

 提言では、平和大通りのうち鶴見橋西詰め―平和大橋東詰めの約1・5キロで「カフェや芸術作品の常設、四季折々のイベントができないか」と提案。民間開発を後押しする国指定の都市再生緊急整備地域に平和大通りが含まれていることも踏まえ、「広島駅や比治山公園、縮景園などの資源を人々が巡る『広島平和回廊』を形成したい」とまとめた。

 平和大通りは道路であるため、電源設備や水道設置に制約がある。常設の飲食施設の営業はできず、規制も多いためイベントは単発や短期間に限っていた。市が都市公園と位置付ければ、公募で選ばれた民間事業者が公園内で収益施設を運営することができる。

 提言をまとめたのは、交通事業者や周辺飲食店、商店街の関係者たち9人で構成する「平和大通りのにぎわいづくりに向けた検討協議会」。民間主導のまちづくりにつなげたいと、渡辺一成・福山市立大教授を座長に昨年12月から議論を重ねてきた。市も本年度、道路を公園化する手法や対象エリアを検討していた。

 この日は渡辺座長が松井市長に提言書を手渡した。渡辺座長は「公園の中に道路がある。そんなイメージで、人が歩いて楽しめる都心づくりにつなげたい」と話した。

パークPFI
 公募で選ばれた民間事業者が公園内で飲食店などを設置、運営し、売り上げの一部で公園施設を整備する手法。2017年の都市公園法改正で制度化された。公園管理者は従来、最長10年だった公園内への収益施設の設置許可期間を20年に延長することができ、事業者は店舗建設などの初期投資を回収しやすくなった。

(2020年2月5日朝刊掲載)

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