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ハワイの小中高生 平和ミュージカル 8月中区 禎子さんの生涯

 米ハワイ州ホノルル市を拠点に活動する小中高生たちのグループが、広島への原爆投下で2歳で被爆し、10年後に亡くなった佐々木禎子さんの生涯をテーマにしたミュージカルを被爆75年の8月、広島市中区で上演する。広島公演の実行委員会が4日、市役所で記者会見し、日本で初めてとなる上演への来場を呼び掛けた。

 ミュージカルグループ「オハナアーツ」の22人が演じる「Peace On Your Wings~佐々木禎子の物語」。戦後の広島を舞台に、禎子さんたち罪のない子どもが被爆によって短い生涯を終える姿や、原爆の子の像(中区)を造ろうと立ち上がる級友たちを描いている。

 禎子さんが白血病と闘いながら病床で作った折り鶴が2013年、ハワイの真珠湾にあるアリゾナ記念館に寄贈されたのをきっかけに、グループの主宰者たちが核兵器の恐ろしさや平和の尊さを訴えようと制作した。15年からは毎年、出演者を代えながら米国各地で上演している。

 ハワイ在住で広島市出身の被爆2世ピーターソンひろみさんが上演を見て感動し、広島市などに相談。賛同者が実行委をつくった。実行委は松井一実市長や学校法人鶴学園の鶴衛理事長たち21人。委員長の黒瀬真一郎・広島YMCA理事長は「平和や命の大切さの訴えに感動した。質が高く表現は洗練されている」と観劇を呼び掛けた。

 中区のJMSアステールプラザで8月29、30日、計4回の公演を予定する。一般3千円、大学生以下は千円。実行委事務局☎080(9799)0412。電子メールogihara@ogiharamp.co.jp(永山啓一)

(2020年2月5日朝刊掲載)

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