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壁試料15ヵ所を採取 原爆ドーム耐震調査 13日から広島市

 広島市は13日から、世界遺産の原爆ドーム(中区)の耐震性を調べるため、壁の一部を抜き取る詳細調査を始める。地震の揺れに弱いとみられる壁15カ所をくりぬいて試料を採取。強度を調べ、本格的な耐震補強工事が必要かどうか判断する。作業は7月26日まで。原爆の日の8月6日までに原状に戻す。

 中央のドーム部分の南北に位置する壁など、四つのエリアの15カ所程度で試料を抜き取る。れんがの状態や過去の保存工事で注入した接着用のエポキシ樹脂の劣化具合を分析する。

 近くで開催中の全国菓子大博覧会(ひろしま菓子博)に訪れる観光客への配慮から、足場設置は閉幕翌日の13日から始める。調査中はメッシュ状のシートでドームを覆う。

 市はドームの耐震調査を2007年度に着手。そのデータを基に昨年1~10月、初めてコンピューター解析をした結果、震度6弱の地震でも「すぐに崩壊する恐れはない」と推定した。一方で、はりなどの支えがない壁など四つのエリアに負荷が集中することが判明したため、壁の一部を採取する詳細調査に踏み切ることにした。(加納亜弥)

(2013年5月2日朝刊掲載)

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