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永田町発 被服支廠 高まる関心 国民・玉木氏視察へ/自民議連 保存策議論

 被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(広島市南区)への関心が東京・永田町で高まっている。広島県が「2棟解体、1棟の外観保存」の着手の先送りを決める中、国民民主党の玉木雄一郎代表は12日の記者会見で、17日に現地視察する考えを示した。自民党の議員連盟も12日、保存策を議論する会合を開いた。(河野揚)

 現存する4棟のうち3棟は広島県、1棟は国が所有する。国会内で会見した玉木氏は、県が昨年12月に示した「2棟解体、1棟の外観保存」の原案について、見直しを求める声が多いと指摘した上で「現地を訪問し、地元の声を聞いた上で(自分の)考え方を整理したい」と述べた。

 玉木氏は被服支廠の保存には報道を通じて関心を持ったとし、「被爆地広島はわが国の平和の象徴だ」とした。17日は湯崎英彦知事とも会談する予定という。

 一方、自民党の「被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟」は党本部で総会を開き、広島県と広島市の各担当者の説明を聞いた。県の木村洋財務部長は、安全対策の必要性や全棟を保存する場合の経費上の問題点などを報告した。

 出席した議員からは、全棟保存を求める声が相次いだ。新谷正義氏(広島4区)は「わが国は唯一の被爆国。被爆建物はしっかりと残していく必要がある。国全体で費用をよく考えていくべきだ」と発言した。代表世話人の寺田稔氏(広島5区)は、観光施設にして収入を得て、保存費用に充てる手法などを提案した。

 同議連が被服支廠について意見を交わすのは、1月28日の会合に続いて2度目。メンバーは22日に現地を視察する予定でいる。

(2020年2月13日朝刊掲載)

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