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イージス「適地」 報告書再検証を 山口大研究者ら県に要望

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市、阿武町)への配備計画を巡り、山口大の研究者たちでつくる「科学者の会」は14日、国が「適地」とする報告書の再検証を求める村岡嗣政知事宛ての要望書を県に提出した。電磁波などの影響がないとする結果に「問題が多い」と指摘している。

 要望書は会の独自検証を基に、国の報告書は電磁波の強さの最大値を示さず、演習場近くの農地や民家への影響が不透明と指摘。迎撃ミサイルのブースターは落下位置を制御できず演習場内に落とすのが困難なことや、地下水への影響を軽減させる見解もデータが乏しく信頼できないとしている。

 物理学や地質学が専門の同大名誉教授3人がこの日、県庁を訪れ防災危機管理課の椛谷和男調整監に要望書と資料を手渡した。萩市の藤道健二市長と阿武町の花田憲彦町長にも同様の要望書を提出している。

 共同代表の増山博行名誉教授(物理学)は「国の報告書は都合の悪いデータを隠し、周辺への影響を記述していない」と批判。「会の資料を参考に県や市町で報告書を再検証してもらいたい」と話している。(原未緒)

(2020年2月15日朝刊掲載)

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