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折り鶴アート 人を結ぶ 米写真講師が完成

 米国ニューメキシコ州サンタフェの写真講師リック・オーレッドさん(55)が、全米各地から寄せられた折り鶴1709羽を使い立体的なアート作品を完成させた。市民が折った鶴を集めて平和記念公園(広島市中区)の原爆の子の像にささげる活動の一環で、今夏も広島訪問を予定している。

 黒い鶴と赤い鶴を一羽ずつ違う高さで天井からつり下げ、ハート形になるよう配置。違う角度から捉えると、赤いハートから黒いメガホンが飛び出したように見える。

 タイトルは「Let It Be Heard(聞こえるままに)」。作品に込めたのは「平和を願う心を素直に、声に出して誰かに話せば平和への道は開ける」という思い。地元で展示場所を探している。

 サンタフェは、原爆開発拠点だったロスアラモスの近郊にあり、現在も核兵器に関する仕事でロスアラモスに通勤する市民が多い。オーレッドさんは、被爆から10年後に白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんの物語に感銘を受け、鶴を折り始めた。友人と市民団体を発足させ、インターネットを通じて全米から折り鶴を募っている。

 2018年8月、集まった3万5055羽を自ら広島に持ち込み、原爆の子の像にささげた。今夏もかなりの数を持って行けそうだという。オーレッドさんは「一緒に鶴を折ることで人々はつながり、そこでの対話が平和の一歩になる。活動を長く続けたい」と話している。(新山京子)

(2020年2月24日朝刊掲載)

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