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原爆で死亡 広島の女子学生題材 BBC響 「明子のピアノ」演奏

広響8月初演に続き 11月ロンドン定演

 英BBC交響楽団が11月25日に開くロンドンでの定期演奏会で、広島の原爆により亡くなった女子学生・河本明子さんを題材とするピアノ協奏曲「明子のピアノ」を演奏する。8月に広島で世界初演をする広島交響楽団に続く公演となる。

 BBC響は拠点のバービカンホールで、「記憶と省察」をテーマにした定演で披露する。指揮者は近現代音楽に定評のある英国のマーティン・ブラビンス、ソリストは中国系米国人のピアノ奏者コンラッド・タオが務める。英国とロシアの作曲家がそれぞれ第2次世界大戦末期に作曲した2作品も演奏する。

 「明子のピアノ」は英国在住の作曲家、藤倉大さん(42)の作品。藤倉さんは昨年に広島市を訪れ、被爆したピアノや日記など河本さんの遺品に着想した。広響は8月の「平和の夕べ」コンサートで、世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチを迎えて演奏する。

 遺品のピアノを保存する市民グループの二口とみゑ代表はBBC響の公演について「意義深く、感激している」と語り、「広島の少女の思いが未来へと継承されることがうれしい」と期待を寄せる。(西村文)

(2020年2月29日朝刊掲載)

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