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被爆体験記朗読 伝える「あの日」 追悼祈念館

 被爆体験記の朗読会が4日、広島市中区の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館であった。午前と午後の2回、朗読ボランティアが、被爆者の記憶と思いを伝えた。県内外から訪れた約30人が聞いた。

 語り手は森川宏子さん(73)=西区=たち6人が務めた。子どもの書いた被爆体験記も含めて朗読。原爆投下直後にやけどを負って逃げ惑う人の様子や、帰らない姉を待つ妹の心情を読み上げた。トーンを抑え悲しみを静かに訴える声に、涙を拭う人もいた。

 名古屋市から家族で訪れた中学1年富坂由(ゆう)君(12)は「文字で読むより耳で聞く方が心に響いた。二度と戦争をしてはいけないと強く感じた」と話した。

 同館の朗読会は、子どもや被爆体験のない人に記憶を共有してもらう目的で2004年に始まった。今回は中区で開催中の全国菓子大博覧会(ひろしま菓子博)やフラワーフェスティバルに合わせ、より多くの人に来てもらおうと開いた。5日も午前11時と午後2時からある。(新山創)

(2013年5月5日朝刊掲載)

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