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核のない社会 英語で訴え 広島の高校生4人が参加 米で核軍縮教育会議

 米国カリフォルニア州のモントレーで4月19、20の両日に開かれた核軍縮教育会議に、被爆地広島から広島女学院高(広島市中区)、安田女子高(同)の生徒計4人が参加。日ごろの平和教育や東日本大震災での経験を踏まえ、核のない社会をつくるための方策について英語で発表した。

 会議は高校生対象で、モントレー大学院の核不拡散研究所が主催。米国8校、ロシア1校、日本から長崎市の活水高を含む3校が「核兵器のない世界を目指しての進展状況、展望、課題」をテーマに25分ずつ発表した。

 広島女学院高の3年民谷唯さん(17)と2年マッコゥリー奈緒海さん(16)は平和教育の進め方について提案。教科教育と平和教育を合わせて実施することで身近に感じ、学べるようになる、と訴えた。

 安田女子高3年の伊藤亜由菜さん(17)と粟屋萌々子さん(17)は、東日本大震災の直後、芸能人が「一緒に頑張ろう」と訴えたテレビのコマーシャルが印象的だった点に着目。市民レベルで広く訴えるため、核兵器禁止条約の制定を呼び掛ける約3分のショートムービーを制作、放映した。両校の発表には、多くの参加者が興味深く見入っていたという。

 両校とも昨冬、校内で参加希望者を募集。代表者たちは、「核を取り巻く現状」「冷戦以降の核不拡散、非政府組織(NGO)と市民社会の働き」などについて、それぞれ英語でまとめる課題をこなして会議に臨んだ。

 「核軍縮には、各国の事情が深く関わっているけど、市民一人一人が活動する大切さを学んだ」と粟屋さん。マッコゥリーさんは「現地で同じ興味、関心を持った生徒に出会えた。今やっている国際協力や碑巡りの活動も広く紹介していきたい」と話していた。(二井理江)

(2013年5月6日朝刊掲載)

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