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核軍縮進展へ官民結集 政府・有識者ら初会合 外務省 NPT会議に向け

 外務省は6日、政府関係者と有識者が核軍縮の道筋を話し合う官民会合を発足させ、東京都内のホテルで初会合を開いた。核兵器保有国と非保有国の双方が参加。広島、長崎の代表も加わり、今春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成功に向けて議論した。有識者で2年にわたり核軍縮のてだてを検討した「賢人会議」の後継組織となる。

 日本や米国、ロシア、マレーシアなど9カ国の外交担当者、国際機関や大学の研究者たち18人が出席。賢人会議メンバーだった小溝泰義広島平和文化センター前理事長、日赤長崎原爆病院の朝長万左男名誉院長も招かれた。

 尾身朝子政務官は冒頭で「国家間の見解の相違がある中で、核軍縮の進展を図るためには対話と橋渡しが重要。粘り強く取り組む」とあいさつした。

 その後の非公開の会合で「透明性」「核リスク低減」「核軍縮・不拡散教育」の3テーマを議論。外務省によると、参加者から「若い世代の教育には広島、長崎に世界各地から来て、被爆の実相を理解してもらうことが極めて重要」などの意見が出たという。

 外務省は今回の議論の内容をまとめ、NPT再検討会議で日本の取り組みとしてアピール材料にする考え。官民会合は再検討会議後も続ける方針でいる。

 前身の賢人会議は、被爆地の広島1区選出の岸田文雄自民党政調会長が外相時代に提唱し、2017年11月に広島市南区で初会合を開いた。2年にわたる議論を経て、昨年10月に報告書をまとめた。(河野揚)

(2020年3月7日朝刊掲載)

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