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2013ひろしまFF 全力 私も主役 全開 絆の結晶

 2013ひろしまフラワーフェスティバル(FF)が最終日を迎えた5日、広島市中区の平和大通り一帯は「きんさいYOSAKOI」の熱気に包まれた。福島第1原発事故で、福島県浪江町を追われ、避難生活を送る子どものチームは、沿道の声援に古里復興への勇気を得た。参加者は、踊りを通して平和への願いを家族や地域で受け継ぐ決意を強くしていた。

避難生活中のメンバー集う

浪江の力 はつらつ

 福島県浪江町のよさこいチーム「Wonderなみえjr.」がパレードやステージで、はじけるような踊りで元気を発信した。福島第1原発事故後に散り散りになったメンバー11人は、被爆地で再結集。古里復興の誓いを心に刻んだ。

 平和大通りのきんさいYOSAKOIパレードで鳴子を打ち鳴らした。福島県内や関東地方などに避難している小中学生と大学生が息を合わせ、アップテンポの曲に乗る。揺れるたすきは出演前、広島市中区の「竹屋南中ソーランサポーターズクラブ」から贈られた。「福島でたくさんの笑顔の花が咲きますように」など同世代が書き込んだ応援が心強い。沿道の手拍子が熱演を後押しした。

 この日は、平和記念公園のカーネーションステージでも踊った。西区の主婦上田節子さん(64)は「避難生活で練習が満足にできない中、古里を思っているのでしょうね。今後も応援したい」と見入っていた。

 踊り終えた、浪江町から新潟県長岡市へ避難中の下塩小6年佐藤亜実さん(11)は「手拍子や声援に勇気づけられた。浪江の元気が届けられたかな」。埼玉県八潮市で暮らす大原中2年浪江志緒莉さん(13)は「久しぶりに会う仲間と力を出しきった。いつかまた浪江で踊りたい」と願った。

 渡辺泰彦代表(55)は「原爆から立ち上がった広島を見習って浪江も立ち直れるよう、踊りで盛り上げていきたい」と誓っていた。

 FFへの出演は、被災地の子どもたちを支援する中国新聞社と中国新聞中国会連合会の「届けよう 希望 元気 キャンペーン」の一環で招待。ヒロシマ平和創造基金と広島国際文化財団も支援した。(有岡英俊)

(2013年5月6日朝刊掲載)

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