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伊方3号機停止を申請 広島・愛媛の7人、広島地裁に

 広島市や松山市など、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の130キロ圏内に住む広島、愛媛両県の7人が11日、同原発3号機の運転差し止めを求める仮処分を広島地裁に申し立てた。

 申立書では、四国電が3号機の耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)の加速度を、震度6弱の地震に相当する650ガルとしている点を問題視。愛媛県の地域防災計画は南海トラフ巨大地震が発生した場合、伊方町は震度7(1531ガル)の地震に襲われる可能性があると想定しており、「伊方原発は地震に対してあまりにも脆弱(ぜいじゃく)」と指摘している。

 申立人代表で被爆者の山口裕子さん(87)=広島市東区=は申し立て後の記者会見で「東日本大震災の発生から9年の節目の日に、原発にノーを突き付ける思いで申し立てた」と語った。

 3号機を巡っては今年1月、山口県東部の住民3人が運転差し止めを求めて申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁が運転を認めない決定を出した。四国電は2月、決定の取り消しを求める保全異議と一時的に効力を止める執行停止を同高裁に申し立てている。

 四国電は「申立書の内容を確認した上で伊方原発の安全性を丁寧に主張、立証したい」とコメントした。

(2020年3月12日朝刊掲載)

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